美化された想い出

出会いから間もない頃は、誰もが早く恋人と親密な関係になりたいと考えて、普段よりも相手を思い遣ったり労わったりする気持ちを発揮するものです。
そうすることが、二人の関係を進展させるためには必要だということを理解しているからです。
ですから当然、ケンカの原因になるようなトラブルや相手を傷つけるような言動は避けようとしますし、多少相手に不満に思うことがあっても口には出さず、波風を立てないようなんとかやり過ごそうと考えるでしょう。

後に関係が破たんしてしまったカップルの多くは、そうした時期に言いたいことを言い合える関係を築いておくことができれば、破たんを避けられたのかもしれません。
しかし、恋の始めには誰もが「そうすることも思い遣りのひとつ」だと考え、心の中にさまざまな想いをしまってしまう傾向にあるのです。
だからこそ、出会いから間もない時期の想い出はとても温かであり、優しさに満ち溢れたものとして残るのです。

近年は、アプリを利用して恋人を見つける人が増えているようですが、アプリによって出会いが手軽なものになってきても、恋の始めの楽しさや嬉しさ、思い出になってからの美しさというものは変わりません。
その根底には、前述したように、互いを思い遣ったり労わったりする気持ちがあるのですが、何度か恋を経験すると、人はそのことを失念してしまう傾向にあるようです。
「恋の始めは楽しいもの」というパターン化された想いだけが残り、そのために互いがどんな努力をしたのかを忘れてしまうのです。

ですが、労わる気持ちや思い遣る気持ちを欠いた恋愛は、長続きしません。
ですから、ここのところ恋が上手くいかない、関係が長く続かないという人は、「美化された想い出」よりも「今の恋人を思いやること」を心がけましょう。
時には言いたいことを言い合い、けれど、そのあとには労わる気持ちを欠かさない、それこそが長く良好な関係を続けるためには必要なのです。